
産業廃棄物収集運搬業を始めるには、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの指定講習が必須です。
- 講習ってどんな内容なの?
- どれ位時間がかかるの?
- 費用は?
- 試験って難しい?
などなど、初めての方にとっては、気になりますね。
そこで、今回は、産業廃棄物収集運搬の講習内容や試験について解説していきたいと思います。
なぜ産業廃棄物収集運搬の講習を受けるの?
収集運搬業の許可を受けるには、5つの要件を満たす必要があります。
そのうちの1つに「産業廃棄物収集運搬業を的確に行うための知識及び能力を有すること」が含まれています。
こちらを満たす上で、産業廃棄物収集運搬の講習を受けなければいけません。
講習を受け、試験に合格した方のみ「産業廃棄物収集運搬業を的確に行う為の知識や能力を持っている」となるわけですね。
では、ここからは気になる講習の概要について紹介していきます。
講習会の対象者
- 個人の場合は、申請者本人。
- 法人の場合は、代表者(または役員1名)
上記の条件さえ満たせていれば、学歴や実務経験は問われません。
しかし、欠格要件に該当した場合、講習が受けられません。
(欠格要件については、こちらをご覧ください)
講習会の種類及び内容

講習会の種類には、以下の4つがあります。
- 産業廃棄物の収集・運搬課程
産業廃棄物の収集運搬業を行う方。
- 産業廃棄物の処分過程
産業廃棄物の処分業を行う方。
- 特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程
特別管理産業廃棄物の収集運搬業を行う方。
- 特別管理産業廃棄物の処分課程
特別管理産業廃棄物の処分業を行う方。
ここがPOINT!「収集運搬」と「処分業」の違い。
収集運搬とは、ゴミを積み、ゴミを降ろすまでの方が対象。
処分業とは、中間処理や最終処理まで行う方が対象。
一般的に、収集運搬、産廃と呼ばれる事業は「産業廃棄物収集運搬業」になる為、収集・運搬課程を選択しましょう。
それぞれの講習には「新規」と「更新」があります。
- 新規:初めて講習を受ける方。
- 更新:既に受けている講習会の修了書を継続されたい方。

講習会の内容は、以下の通り。
現在の受講はオンライン形式のみ。
お手持ちのスマートフォンやパソコン、タブレット等の端末により、インターネットを利用しての「動画視聴」になります。
視聴内容は以下の通り。
講習科目 | 講習時間 |
---|---|
破棄物処理法概論 | 約4.5時間 |
環境・循環型社会概論 | 約1.5時間 |
業務管理 | 約2時間 |
安全衛生管理 | 約2時間 |
収集・運搬 | 約2時間 |
それぞれ上から順に視聴していきます。
視聴を終えると、次の動画を選択できるようになります。
正直、流し見しているだけでも見終えた扱いになり、最後まで進むことが出来ます。

それをしてしまうと、本来1回で受かる試験が受からなくなります。
真面目に視聴さえすれば、この後受ける試験に合格できます。
その為にも、真面目に視聴しましょう。

1つ1つの動画が長めだから時間が…。
動画は分けての視聴が可能です!
それに試験日までなら何度でも視聴できます。
隙間時間などを活用し、ご覧ください。

受講費用は以下の通り。
講習の種類 | 新規費用(税込) | 更新費用(税込) |
---|---|---|
産業廃棄物の収集・運搬課程 | 25,300円 | 16,500円 |
産業廃棄物の処分課程 | 39,600円 | 20,900円 |
特別管理産業廃棄物の収集・運搬課程 | 37,400円 | 16,500円 |
特別管理産業廃棄物の処分課程 | 56,100円 | 20,900円 |
講習後の試験ってどんなの?
上述している講習を見終えた後、試験を受けます。

試験内容は以下の通り。
総出題数 37問
出題範囲
- 廃棄物処理法概論
- 環境・循環型社会概論
- 業務管理
- 安全衛生管理
- 収集・運搬
上記のうち、廃棄物処理法概論からは17問出題されます。
合格基準
- 廃棄物処理法概論で12点以上
- 各、出題範囲で0点なし
- 合計が25点以上
合格者数や合格率については、公表されていませんが、動画視聴しておけば、基本的に合格できる内容です。
余り難しく考えず挑みましょう。
テキスト・試験問題 | 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター (jwnet.or.jp)からテストのサンプルを確認することが出来ます。

試験の難易度は?
やっぱり難しいの?
初めての方にとっては、気になる内容ですね。
基本的に流し見ではなく真面目に視聴していれば合格可能です。
より詳しく知りたい方は、こちらの関連記事「産業廃棄物の試験って難しい?難易度や申し込み込み後の流れを解説 」をご覧ください。
試験の内容や、講習会の申込”後”について詳しく触れています。
講習会の申込から修了書までの流れは?
- 講習会の仮予約をしよう!
講習会を予約方法は、オンライン申請のみとなっています。
講習会・研修会を申込む | 公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター (jwnet.or.jp)
※上記をクリックすると、日本産業廃棄物処理振興センターの講習会申し込みページに移行します。
受講する講習内容は「産業廃棄物の収集・運搬課程」(新規)を選択しましょう。
- 試験日や会場を選択しよう!
講習会を選択すると、次に、会場一覧表が表示されます。
会場は試験を受ける場所になり、全国で開催されています。
しかし、日程や定員数が決まっている為、選択できる箇所が限られています。
以下の画像をご覧ください。

灰色に表記されている箇所は、既に満席となっており選択できない状態です。
選択できる箇所のみ「この講習会を申込む」と表記されます。
背景の白と緑の違いは、白には余裕があり、緑は残り少ない状態を表しています。
上記のように、ほとんどが埋まっている状態です。
この様に、産業廃棄物の収集・運搬課程講習は、直ぐに埋まってしまいますので、早めに予約するようにしましょう。
- 本予約をしよう!
上記の手順を終えると、メールアドレスの登録画面になります。
ここまでが「仮予約」状態です。

まだ予約は済んでいませんよ~!
メールアドレスを入力後、送信すると「jw-reception@jwcenter.jp」からメールが届きます。
返信メールに記載されているURLをクリックすると、ご自身の情報を登録する画面に移行します。
氏名等の登録及び、ご自身の写真の登録を済ませた後、支払い方法(各種カード決済・銀行・コンビニから)の選択となります。
尚、返信後に記載されているURLの有効時間は「4時間以内」となります。
その時間内に行わないと、仮予約が取消になりますので、再度講習の選択からになります。
※添付する画像のサイズが決まっています!
ご自身で加工するか、jwセンターへ加工の依頼をすれば行ってくれます。
- 講習会に参加しよう!
受講料を期日までに支払うとテキストが届きます。
テキスト到着後、jwセンターのマイページから講習会に参加します。
ご自身の隙間時間等を活用し、テキストを使用しながら動画視聴を行いましょう。
- 試験を受ける
予約の際に指定していた試験日程に沿って指定の会場で受けましょう。
試験を受けるには、全ての動画を見終えている必要があります。
当日の持ち物は「受講票」「受講確認書」「筆記用具」「アンケート」になります。
また、コロナ禍対策の為、会場内では「マスク着用」「体温測定」「アルコール消毒」があります。
万が一、試験日に試験が受けられない場合、年内3回までなら試験日の変更が可能です。
- 修了書を受け取ろう!
試験後、約2週間後に「修了書」が届きます。
修了書が届けば、合格となります。
修了書には「有効期限」が記載されています。
- 新規の場合5年間
- 更新の場合2年間
それぞれ有効期限が異なる為、注意しましょう。
また、期限内に更新手続きを行わなければ、失効となり、再度修了書の取り直しとなります。
更新の手続きは、講習会を選択する際に「更新」を選び、受講すればOKです。
講習に関する注意点!
- 早めの予約(すぐ行おう!)
- 顔写真の用意(JPEG形式:横640×縦832ピクセル以下のもの)
- 修了書の有効期限(期限が切れる前に更新を!)
- 修了書の紛失(再発行は手数料が別途必要)
- 受講料の支払い(申込から2週間以内に済ませよう)
- 試験日の変更(年内3回まで)
- 試験に落ちたら?(年内2回まで受けられる!)
上記6点が特に気を付ける箇所になります。
当事務所では、産業廃棄物収集運搬業許可申請が丸任せできるよう、お手伝いしています。
ご依頼された方に限り以下の内容をお手伝いしています。
- 講習の事前予約
- 申請書類の作成及び提出
- 写真の撮影(車両や容器)など
お時間がない方や、初めての方など、お気軽にご相談ください。
2023年 講習日程
現在(2023年2月時点)講習を予約しようとしても、灰色になっている等で選択できないようになっています。
これから新たに講習のご予約をご検討の方!
2023年3月13日 AM9:00~令和5年度(2023年度)の日程が発表されます!
講習のご確認は、こちらから出来ます!
尚、上記の講習は”収集運搬業課程<新規>”の方のみとなっていますので<更新>や<処分業>や<特管>の講習については、jwセンターへ直接お問い合わせください。
申込開始は、2023年3月27日 AM9:00~になります。
お急ぎの方や、講習を受ける都道府県が限定されている方は、なるべく早くにご予約しましょう。
お問い合わせ
"産業廃棄物収集運搬許可”について無料相談受付中!お気軽にご相談ください。

当事務所では講習申込の代行をしています。

この記事を書いた人
奈良県奈良市で行政書士事務所を開いている行政書士の山之内清孝です。
平成25年に開業し、建設・運送・産廃関係の業務を取り扱っています。
奈良県を中心に、複数県での実績があり、毎年多くの方をお手伝いしています。
少しでも皆様のお役にたてるよう情報を発信していきます。