建築物石綿含有建材調査者

2023年10月1日以降から、アスベストの事前調査を行うには「建築物石綿含有建材調査者」資格が必須となります。

  • 資格を取るにはどうすればいいの?
  • どれくらいかかるの?

など、建築物石綿含有建材調査者になる方法をご紹介しています。

尚、建築物石綿含有建材調査者は、都道府県により費用や期間が異なります。

こちらでは、大阪府を対象にご紹介しています。

ライター紹介

奈良県奈良市に山之内行政書士事務所をかまえる代表行政書士の山之内清孝です。

平成25年に開業してから、建設業・産廃業・運送業の許認可関連業務を中心に行っています。

少しでもお役にたてるよう情報を発信していきます。

山之内清孝

建築物石綿含有建材調査者の資格の必要性

建築物石綿含有建材調査者の必要性

石綿(アスベスト)は、環境及び人体に与える影響が大きいことから、取り扱い方法が厳重化しています。

この為、建築物の解体等の工事を行う前には、必ずアスベストの有無を確認し、影響が出ないよう未然に防ぐことが義務化されています。

これが「アスベストの事前調査」と呼ばれるものです。

現状アスベストの事前調査は、無資格の方でも可能です。

しかし2023年10月1日からは「建築物石綿含有建材調査者」の資格所持者しか出来なくなります。

この為、お持ちでない方で、建築物の工事関係に係る方は、早急に取る必要があります。

建築物石綿含有建材調査者になるには?

建築物石綿含有建材調査者になるには?

厚生労働省が指定している登録機関での講習を受け、試験に合格する必要があります。

厚生労働省が指定している登録機関は、全国で103機関。

以下のリンク先から、身近な都道府県を選択し、講習の予約を行いましょう。

講習会情報 | 石綿総合情報ポータルサイト (mhlw.go.jp)

講習の流れとしては、2日~3日間ほど、座学(学科)による講習で学びます。

座学での講習終了後、筆記試験となります。

講習科目自体は、全国共通していますが、講習の日数及び講習時間や費用においては、都道府県により異なります。

こちらでは大阪府の中央労働災害防止協会 近畿安全衛生サービスセンターを例に説明していきます。

講習の種類は?

講習の種類
  • 一般建築物石綿含有建材調査者
  • 一戸建て等石綿含有建材調査者
  • 特定建築物石綿含有建材調査者

それぞれの違いを説明すると以下の通り。

一般建築物石綿含有

住宅、店舗、工場など全ての建築物を調査できる。

一戸建て等石綿含有建材調査者

一戸建て住宅、及び共同住宅(マンションなど)の内部部分のみ調査可能。

※ベランダや共用廊下部分などは調査できません。

全ての建物を調査できる「一般建築物石綿含有建材調査者」の方がメリットが高い為、そちらを選びましょう。

特定建築物石綿含有建材調査者

一般建築物石綿含有建材調査者の有資格者、または一般建築物石綿含有建材調査者の修了予定者の方が、申込できる講習となります。

都道府県によっては、資格条件や講習のカリキュラムが違うなど、微妙な違いがあります。

尚、講習そのものを行っていない都道府県もあります。

一般建築物石綿含有建材調査者との違いは?

実際に建物を使って行う実地研修があります。

その後、口述試験をクリアすることで、特定建築物石綿含有建材調査者の修了書がもらえます。

現状、一般建築物石綿含有建材調査者と行える業務に差がない為、一般建築物石綿含有建材調査者を持っていれば問題ありません。

講習内容は?

講習内容

中央労働災害防止協会 近畿安全衛生サービスセンターでは、2日間にわたり行われます。

講習1日目スケジュール

時間講習内容
8:30~受付開始
9:00~オリエンテーション(動画による講習のPOINT説明)
9:10~建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識1(90分)
10:50~建築物石綿含有建材調査に関する基礎知識2(60分)
11:50~お昼休憩(各自で用意)
12:50~石綿含有建材の建築図面調査(60分)
14:00~石綿含有建材の建築図面調査(90分)
15:40~石綿含有建材の建築図面調査(90分)

講習2日目スケジュール

時間講習内容
8:30~受付開始
9:00~現地調査の実際と留意点(調査)(60分)
10:10~現地調査の実際と留意点(調査)(60分)
11:20~現地調査の実際と留意点(調査)(60分)
12:20~お昼休憩(各自で用意)
13:20~現地調査の実際と留意点(分析)(90分)
15:00~建築物石綿含有建材調査報告書の作成(60分)
16:00~休憩(60分)
17:00~修了試験(100分)

両日ともに、講習の合間に10分ほどの休憩があります。

尚、都道府県によっては「石綿作業主任者」の資格所持者の場合、一部の講習が免除されます。

しかし、試験内容には出題される為、受講される方が無難です。

試験の合格率は?

100点満点中の60点以上で合格(正答率6割以上)

試験はマークシート形式になります。

自ら考えて書く記述式とは異なり、正しいと思う答えを選ぶタイプの為、ボヤっとでも頭の中に入れておくと合格率が上がります。

そのためにも、試験直前の休憩時間は、テキストを読み返しておくといいでしょう!

講習の注意点は?

  • 遅刻が認められていませんので、必ず時間に余裕を持って参加しましょう。
  • 昼食、宿泊施設、交通費等は、ご自身で用意しましょう。
  • 1回でも講習を受けていなければ修了考査(試験)が受けられません。
  • 先着順となっていますので、直ぐに申込ましょう。

※都道府県によっては抽選の場合があります。

もし不合格になったら?

受講証明書が送られてきます。

そちらに「有効期限」が記載されています。

有効期限内であれば修了考査を再受験できますので、必ず有効期限内に受けるようにしましょう。

有効期限は?

講義を終了した年度の翌々年度末まで。

(年度は4月1日から~翌年3月31日までと数えます。)

仮に受講修了が令和4年10月25日だった場合、令和6年3月31日(令和6年度末)まで有効です。

紛失してしまったら?

建築物石綿含有建材調査者 受講証明書の再交付申請及び、手数料を支払うことで再交付して貰えます。

手数料には1件につき1,500円が必要です。

また、再受験には、1回につき5,500円必要になります。

試験会場に向かう為の交通費や、試験の為の予定調整等を考えると、出来るだけ少ない回数で合格できるよう頑張りましょう!

受講資格者は?

受講資格

受講するには、下記の資格を満たす必要があります。

受講区分学歴等実務経験
4年制大学において建築に関する正規の課程、または同等にあたる課程を修めて卒業した者。卒業後、建築に関して2年以上の実務経験がある。
短期大学(修業年限が3年であるものに限り、専門職大学の3年の前期課程を含む)において、建築に関する正規の課程またはこれに相当する課程(夜間授業は除く)を修めて卒業した者(専門職大学の前期課程にあっては修了した者。)卒業後、建築に関して3年以上の実務経験がある。
短期大学において、また高等専門学校で建築に関する課程を修めて卒業した者。卒業後、建築に関して4年以上の実務経験がある。
高校、または中学校において、建築に関する課程を修めて卒業した者。卒業後、建築に関して7年以上の実務経験がある。
学歴不問。  建築に関して11年以上の実務経験がある。
建築行政または環境行政(石綿の飛散の防止に関するものに限る)に関わる者。2年以上の実務経験がある。
第一種作業環境測定士または第2種作業環境測定士。石綿含有建材の調査に関する実務経験が5年以上ある。
特定化学物質等作業主任技能講習を修了した者。石綿含有建材の調査に関する実務経験が5年以上ある。
石綿作業主任者技能講習を修了した者。実務経験不問
10産業安全専門官もしくは労働衛生専門官、産業安全専門官もしくは労働衛生専門官であった者。 
11労働基準監督官として従事した経験がある者。従事経験年数が2年以上ある。

※建築に関する正規の課程とは、卒業した学校名や学科などから、明らかに「建築」関係と分かるものを言います。

講習の資格を満たしている方は、証明する為の添付書類が必要です。

下記の表を参考に、ご用意ください。

受講区分必要な証明書
1・2・3・4卒業証明書(原本)※卒業証書ではありません。
履修証明書(原本)
実務経験証明
実務経験証明  
辞令の写し(表裏両面)※当日原本持参
実務経験証明
登録書(表裏両面)または修了書の写し※当日原本持参
実務経験証明
修了書の写し(表裏両面)※当日原本持参
実務経験証明
修了書の写し(表裏両面)※当日原本持参
10証票または辞令の写し
実務経験証明
11辞令の写し
実務経験証明

※実務経験証明は、受講申込書の「実務・従事経験の事業場・行政機関証明」欄への記入及び捺印による証明となります。

※卒業証明書に建築学に関する「学科」の明記がない場合は「履修科目証明書(原本)」か「成績証明書(原本)」を添付。

※卒業証明書等と、現在の氏名が異なる場合、変更の確認ができる公的書類が必要です。

(マイナンバーカードや戸籍謄本など)

申込方法は?

申込方法

受講申込書に必要事項を記載し、受験票に写真を添付し、資格証明書類と一緒に郵送します。

受講申込書は、こちらからダウンロード可能です。

※当日原本持参とあるものは、必ず講習日当日に持参しましょう。

証明写真の注意点

  • 縦30㎜×横24㎜サイズのもの 
  • 6カ月以内に撮影したもの
  • 上三半身
  • 帽子、マスクなどを着用していない
  • 裏面に氏名を記入

受講費用は?

費用

55,000円(テキスト代、消費税含む)

※書類で申込後、書類審査が行われます。

不備や不足があると、審査の通過が出来ず、再提出になります。

先着順で行われる為、なるべく1回で通過できるようしましょう。

審査通過後、申込時に記載しているメールアドレス宛に「正式受付のご連絡」と送られてきます。

メール到着後、開催の2週間前までに指定されている口座へ受講料を振込ましょう。

※別途、振込手数料が必要です。

開催日は?

開催日

中央労働災害防止協会 近畿安全衛生サービスセンターでは、年に4回開催されています。

日程

2022年10月24日~25日(終了)

2022年12月1日~2日(満員)

2023年2月13日~14日(空きあり)

2023年3月8日~9日(空きあり)

※2022年10月末現在

定員数

40名

開催地

大阪市西区土佐掘2-3-8 近畿安全衛生サービスセンター

まとめ

大阪府では、上記以外に下記の4機関が講習を行っています。

※クリックすると、各ページへ移動します。

講習には、開催日及び定員数が定められていますので、出来るだけ早めの予約を行いましょう。

当事務所では、建築物の改修、解体、補修工事に関わる方のお手伝いをしています。

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